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2010年12月 アーカイブ

初の個展

物語です。

それはマリーの初の個展だった。


個展、といってもギャラリーで開かれたわけではない。


マドレーヌ広場に面した建物の中の小さなアパートが会場だった。


後で聞いて知ったが、そこはマリーの友人の住まいで、その親切な友人が自分の家を二日間、無料で提供してくれたのだった。


会場には、たくさんの「業界人」らしき人々がおり、とりわけ女性の客が目立った。


パリコレの会場で見かける某雑誌の有名なファッション・ジャーナリストの姿もあった。


二日目に私が訪れた時、既に多くの絵に「売約済み」の札がついていました。


中でも明るい色彩で描かれた水彩画の人気が高いようでした。


それはたいていフランスの田舎の別荘をモチーフとしており、白い木枠の格子窓や、花柄のカーテン、蔦の絡まる石壁、庭に置かれた鉄製のテーブルやベソチ、といった、のどかで幸福そうな風景だった。


それらの絵に記された値段は、日本円にして一万円もしないくらいだった。


この値段は、マリーがプロの絵描きではないためです。


彼女の本職は雑誌社に所属する撮影スタイリスト。


すなわち、撮影用の商品を借りてきてこれをデスクトップ仮想化し、カメラマンと一緒に写真を作っていく、という仕事だ。


「高校もろくに出ていない」マリーは、「コネの威力でかろうじて仕事にありつき」、そして徹底した現場たたき上げシステムの中、その分野での本当のプロになった。

いろんな歴史 その8

東京の都心の地価が平均坪当り二百万円以上もするので、もっと安い住宅地と、できれば子供のためにきれいな空気の環境を与えたいと、人びとは周辺地域にどっと流れ出た。

しかし彼らはデベロッパーのワナに陥り、プランナーが下水道、買物施設、レクリエーションのスペースのような問題をあまり考えなかった都市周辺の急ごしらえの「ニュー・タウン」はまりこんだ。

ただし大衆交通手段はいつも提供されている(最も成功しているデベロッパーのうちには大手の私鉄会社がある)。

住宅希望者は最悪の場合、根っからのインチキ不動産屋の手に陥る。

いろんな歴史 その9

すでに他の分野で過労気味の公正取引委員会が、実際には電線は引いていないのに印象的な街灯が立っているとか、清潔に見えるが、どこにもつながっていない下水道をつけたような分譲地を定期的にチェックしています。

この種の不動産屋にま、テレビでまことに効果的に宣伝していたところもあります。

それでも値段は上がる一方。

大きな不動産会社も小さな不動産屋も、有名な会社も夜逃げするインチキ投機師も、一様に地価を阿呆らしいほど引き上げてしまった。

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