ちょっと前の話 4

駐在員家庭の子供たちを主な対象としたインターナショナルスクールがチューリッヒにあるが、そこでポーランは国籍の異なる高校生たちに一時期フラソス語を教えていました。


ちょうど私の夫がその高校に入学した時期で、彼はこうして幸運にもポーランからフランス語の薫陶を受けた。


「幸運にも」と強調して夫はいいます。


「それまでにスイスの学校でフランス語の文法はもう終えていたから、彼女から習ったのは上級フラソス語だったわけだけど、それは語学のクラスというよりは文学とか哲学のクラスといった色合いが濃かった。


あのクラスでサルトルやモーパッサンを読んだことが僕のフラソコフィルの第一歩になったことは間違いないと思う」


そもそも高校の先生と今だにコンタクトがあるということ自体、私にはまるで別世界の事柄のようで、そういう「恩師」との出会いに恵まれた夫が少し羨ましかったんですよね。

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