ちょっと前の話 5
「きっと君とも気が合うと思う」以前から事ある毎にポーランの話は聞いていましたが、その彼女もやっとフランスに腰を落ち着け、そして私たちもちょうど南の方へ旅をすることになりました。
そんなわけでついにこの夏、「噂のポーラン」に初対面という栄誉ある機会。
か訪れたのです。
それは不思議な3日間でした。
見知らぬ人の家を訪問し、そこで寝起きや食事を共にする、そしてまた別れを告げてその家を後にするしかもその家というのがプロヴァンスの丘のてっぺんにあって、ドーデの『風車小屋便り』のイメージといつの間にか重なっています。
今、思い返してみてあの3日間の滞在中、私はポーランとそれほどたくさん話をしたという印象もない。
何だかすべてが蚕気楼だったようなあの、プロヴァンス独特の無愛想な白い光の印象と共に、その3日間は強烈でいて柔和な、実に不思議な記憶の断片としてとどまっています。