ちょっと前の話 3
車から降り、手足を伸ばして深呼吸をしながら私はあたりをゆっくり見回しました。
ポーランは詩人です。
国際機関に長らく勤めた夫に伴い、世界各地の住まいを転々としながら、彼女はずっと詩を書いてきました。
パリの出版社から何冊か詩集も出しています。
引退前の夫の最後の勤務地であったソゥルを離れたのが四年前。
以前から所有していたこのプロヴァンスの石の家に「ようやく戻ってきた」日から二年の歳月をかけて内装をやり直した。
「だいたい納得の行く」住まいがこうして整った今、静かな日常の中で、ポーランは詩やエッセイを書き、夫は長年のキャリアを生かして新聞や雑誌に評論を寄稿したり請われて講演をしたりしています。
その夫の勤務地の関係で、二人はスイスのチューリッヒで数年間暮らしたことがありました。